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はちみつ輸入騒動記   

 2008年1月に滞在先のワシントンDCで、友人に勧められるまま、毎日サプリメント感覚でいただいた無添加、無加工の「生はちみつ」の威力に驚きの感動。健康に気を遣っている日本の友人たちにもお勧めしたくて帰国後輸入を決意しました。
あれから約5ヶ月、7月末にようやく思いが叶いました。輸入が実現できて嬉しく存じます。
http://www.ppcjapan.com/index.html
 ワシントンDCに住む知識階級と呼ばれる人たちの、食に関するこだわりと、徹底ぶりは、訪問中のブログで既にお伝えしました。そのときにあまり詳しく触れなかったのが、スーパーマーケットの二極化です。食料品から日用雑貨まで日々の生活に必要なものは全て揃う大型のスーパーマーケットと、クオリティー(質)にこだわる小型のスーパー。一見同じように見える食品一つをとっても、購買者は、原料や、添加物の有無、製法までを厳密にチェックしています。小型のスーパーの価格は大型店の約3倍ですが、そんな小型のスーパーに置かれていたのが「Really Raw Honey」でした。

 メリーランド州にある養蜂場と、メールや電話で連絡を取って、日本への輸入のアプローチをしました。海外に卸すのはシンガポールに続いて2カ国目だそうです。商売ッ気はないのですが“本物のはちみつ”への強いこだわりと、食の安全に徹する厳しさ、そして誠実な対応に好感を持ちました。こちらからの些細な質問にも、すぐに対応してくれる行動力は見習いたいと思いました。できる事にはベストを尽くすスタンスです。

 日本の購買者向けに、どのような表現が本物の良さをご理解いただけるか、とりわけキャッピングとよばれるはちみつ上部の浮遊物への理解のために、小さなブックレットの解説をつくり、キャップの外側に輪ゴムで止めて読んでいただけるように工夫をしました。

 「はちみつは通常どこに保管しますか?」この質問をメリーランドの養蜂場から受けたとき、「冷蔵庫」と応えて笑われました。通常は直接光の当たらない風通しの良い戸棚に入れておくのが良いようです。冷蔵庫では温度が低すぎて、結晶化か起こり、硬くなって風味や舌触りが楽しめないようです。保管温度は18℃から20℃が理想的なようです。
「悪くならないように冷蔵庫で保存」の心配もご無用。添加物がいっさい含まれていないので、はちみつ本来の持つ抗菌作用が働いて、カビや殺菌の繁殖を止めてくれるからです。

 今回一番苦労したのは通関でした。この業務には慣れているであろう世界企業DHLに依頼をしました。ところが成田空港に”はちみつ”が到着してから、私どものオフイスに届けられまでに、何と7週間もかかりました。それは担当者の職務に対する理解があいまいで、どの時期に何をすべきか、当方への説明と一貫性に欠けていたことが一番の原因でした。
 税関が必要とする書類の書き直しをアメリカの成分分析研究所に何と4回も変更依頼をするありさまです。内容の正確度や時間管理が希薄であること、仕事を依頼した側(私ども)の仕事をせずに、税関の言いなりで、私共にはノラリクラリと責任逃れに徹したあいまいな対応しかしないのです。実に情けない現実を今回の担当者の仕事振りを通して知ることとなりました。勿論食の安全に気を使う税関の厳しさは理解が出来ます。ただし、その厳しさがどの分野の、どういう検査に時間を要するとか、仕事の流れがどの段階なのか、具体的な説明が出来なければ立場を利用した理不尽な我侭と受け取めてしまいます。

 メリーランドから飛行機に乗せられて遠路日本に到着して7週間、どこでどのように扱われているのか“はちみつ”たちがとても気がかりでした。7月17日に注文した全商品が事務所に到着したときは心から安堵し、皆で大喜びしました。

by yukikowakuwaku | 2008-07-30 10:52 |

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