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2010年1月   


新しい年を迎えて早1ヶ月が経過しました。
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先週、御殿場から見た朝日に輝く富士山は、六合目まで雪で覆われていました。周囲の山々の稜線を背景に凛とした姿は堂々としていて、思わず背筋が整えられました。
こうした自然と向き合うとき、人間の営みや考えの小さなことに気づかされます。

 ミレニアムからわずか10年を振り返っても、バブル崩壊後の日本社会の変化、アメリカの同時多発テロと戦争や絶えることのない地域紛争、金融システムの歪みが起こした世界規模の不況、政権交代など、近年経験したことのない数々の変化を目の当たりにして、戸惑いの中で、本来のあるべき姿を考える日々が続いています。
 何かが起こるたびに、国をあげて大騒ぎをしていますが、騒ぎの大きさに比較して、問題解決の方向に向っているとは云い難く、冷静に問題の本質を見極め、話し合いや解決のための模索をすることは極力避けているように感じられるのです。この国はいつの間に、過激な短いフレーズに踊らされて、騒々しく熱狂することをよしとし、他力本願な国になったのかと危機感を感じます。
新春の富士山から、本来のあるべき姿を教えられたような気がしました。

 昨年12月のクリスマス前後に2週間、ニューヨークでアメリカの旧友と過ごす時間を持ちました。
2010年1月_c0137788_20223396.jpg今回はひさしぶりにニューヨーク郊外にある友人の学校を尋ねて、短時間の想像を超えた大きな成長に感動しました。
 2歳から18歳までの独創的な教育カリキュラムと施設の行き届いたこだわりが特徴です。カリキュラムは一人一人が個人として力をつけるための創意と、他者の違いを受け入れる力、そして最終的にはグループで協力する力を養う目的で創られています。そのための施設は随所に、日本文化の香をアクセントに取り入れてくれていました。彼女の理解する日本文化の香とは、「・・道」に通じる、一つのことを深く極めるために、己との戦いの哲学的な取り組みと理解しているようです。そのための畳の部屋や素足で利用する板張りの部屋など、アメリカの教育現場に異文化の良いところを取り入れる姿勢は、グローバルという言葉を使わずとも、違いを尊重し、受け入れる環境を創っているのです。

 友人のユース(若い人たち)教育の理念は、私のアダルト(成人)教育の理念にも共通します。また日米の違いを超えて、目指すところは人間の成長です。進化の歩みを止めることがないように互いを勇気づけ刺激を受けあっています。
 東京に戻って現実に目を凝らすと、海外の友人たちが注目する日本の文化は風前の灯火となりつつあるようです。今年は広い視野を持ちながら、もっと日本という私たちの国に目を向けて、本来の素晴らしさを取り戻すための取り組みを仕事の中に活かしたいと考えています。内向きにならずに、世界の中の日本を再考し、整える働きの一歩を踏み出します。

by yukikowakuwaku | 2010-01-31 19:25

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